ご挨拶

臨床検査科診療科部長 教授 村田 満臨床検査科 診療科 部長
教授
松下 弘道

2022年4月に慶應義塾大学病院臨床検査科 診療科部長ならびに慶應義塾大学医学部臨床検査医学 教授に就任いたしました。慶應義塾における臨床検査科・臨床検査医学のルーツは、半世紀以上前の1958年の中央臨床検査室発足に遡ります。以降、病院検査部門として拡充が図られるとともに、2003年の大学院医学研究科設置、2009年の臨床検査医学教室設置を経て、医学としての臨床検査を担う部門として発展してまいりました。先輩方の弛まぬ努力の成果と伝統の重みを感じ、身の引き締まる思いです。

臨床検査は、その時代における医学の発達や医療における多様なニーズに柔軟に対応することが求められ、時代の要請に合わせて変化・発展してきました。一方で、医療法等の一部の改正(2017年)により、全ての検査結果の品質および精度の確保が求められるようになっております。このような背景の中で、臨床検査科は臨床検査室の国際規格であるISO 15189の認証を受け、その要求事項に基づいた品質マネジメントシステム(QMS)を構築・運用を行っております。QMSのもと、慶應病院で展開される最新の医療を確実にサポートできるように新しい検査を積極的に取り入れ、患者さんだけでなく患者さんの管理に関わる全ての医療関係者に検査結果を迅速に利用しやすい形で提供できる体制を維持・更新していきます。

日本専門医機構が定める19基本領域の一つに数えられる臨床検査医学は、基本的かつ横断的な学問分野です。疾患に密接した純粋な医学的なものから、検査としての実用性に着目したもの、さらには検査室内におけるシステムの開発まで、多岐にわたるものを対象としております。また、多種類の学問領域が重なり合う学際的な要素の強い領域です。臨床検査医学独自の研究を推進しながら診療における共通ツールである臨床検査を通じて各診療科の先生方と協力・連携し、慶應医学の発展に寄与したいと考えております。

技術の進歩とともに臨床検査・臨床検査医学は確実に進化しています。精密化する21世紀の臨床検査領域を先導する存在として、臨床検査科・臨床検査医学がさらに発展できるように尽力する所存です。ご指導、ご鞭撻のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

慶應義塾大学病院 臨床検査科 基本方針

1)顧客の要望を鋭敏に捉えて、医療サービスを向上させる。

2)検査の実施および輸血医療において、安全な医療を提供する。

3)継続的な環境改善と業務適正化を通じて、業務効率化と経済効率の向上を図る。

4)新しい技術や知見を常時追求し、先進的な医療に対応する。

5)部署内および関係部署と十分なコミュニケーションを図り、チームとして成長する。