微生物検査室

検査室の紹介

微生物検査室では、患者さんから採取された検体(喀痰、尿、便など)から感染症の原因となる微生物を検出し、さらにその微生物にはどのような抗菌薬が有効なのかを調べる業務が中心になっています。
依頼される検体数は月に一般細菌検査が約4,000件、抗酸菌が約400件あり、12名の技師が担当しております。
検査はまず、検体の塗抹標本を作製し顕微鏡で観察して細菌の有無、さらに細菌の形態や染色性から菌名を推定します。次に適切な培地に検体を塗布して培養し、培地に発育した細菌を主に自動機器を用いて同定検査、薬剤感受性試験を行います。
微生物検査は他部署の検査に比べて結果報告までに多くの時間を要し、一般細菌検査では最短でも2日、真菌や発育の遅い菌になりますとさらに時間がかかってしまいます。結核菌などの抗酸菌検査では最長56日まで観察を続ける場合があります。
また、微生物検査室は感染制御センターと連携して院内感染の防止に寄与しております。
MRSAやESBL産生菌などの耐性菌の検出や、新規に耐性菌が検出された時の監視培養などを行っており、必要に応じて院内環境の調査もしています。
微生物検査では、検出された菌の同定や薬剤感受性試験に自動機器が検査の過程の一部を担っておりますが、そこに至るまでには各技師の菌の発育した培地を観察して目的菌を釣菌する技量、検出菌に関する知識の蓄積が求められております。